はじめに

株式会社ラクシュミー 代表取締役 森田 要

2016年11月の初旬、インド・ラジャスタン州ジョードプルを訪れました。

目的の一つ目はCNP社への訪問です。CNP社とは7年のおつきあいになります。今回、訪問した日は奇しくも、ディーワーリーというヒンズー教の新年にあたる日(ヒンズー教でいちばん大きな祭りで、インド最大の祭りでもある。毎年10月または11月のどちらかに開催)でした。ディレクターのタルン・プラジャパティ氏率いる大勢のスタッフと親族らに迎えられて、新オフィスでの神聖な儀式に案内されました。中央に艶やかな砂曼荼羅をあしらった護摩壇と神々が配置された場所で、我々までもが神の祝福を受けることになったのです。

最高のヘナを求めて約30年、本当の意味での新たな出発の日を迎える思いがしました。ヒンズー教の新年にあたるこの日は、プラジャパティ氏の考える理想の会社とともに、その理念に基づいた壮大な計画の始まりの日でもありました。欧米の最高基準の安全性や衛生管理をクリアした新工場で、新たな「アーユルヴェーダハーブ」の可能性が開花する時が訪れたのです。使用されているハーブおよそ80種類は、すべて世界各国の有機農法の認証を取得しています。さらに、イタリアとドイツの公的機関で数か月にわたってアレルギーの実験もすませており、まさにお墨付きのハーブのみを使用しているのです。  ≫CNP社について

インドでのもう一つの目的は、国立ジョードプル・アーユルヴェーダ大学への訪問です。ハーブが経皮吸収(皮膚から吸収)された後、人体にどのような働きをするかについて実験・研究を深めてほしいと依頼しました。私はこの研究が、未来の美容業界を大きく変えるきっかけとなることを確信しています。

 「本物の美しい髪」をテーマに、ヘアカラーの世界でも安全・安心を探求し続けてきました。経皮吸収による薬害が常識になってきた今、新たなヘアカラーの出現を待つ多くの方々の希望となる奇跡の植物 “ヘナ” が、日本に紹介されて30年ほどの月日が流れています。 

インターネットを開くと、多くの会社が存在し、商品も多様化、使用方法もそれぞれです。学術的には一つの植物であるにもかかわらず、なぜか多くの種類があるような商品群に驚かされています。これらの情報を正しい方向に修正し導くために、これまで私は書籍の執筆やヘナのワークショップを開催してきました。その目的は、本物の “ヘナ” の正しい普及にほかなりません。2007年、2008年に国民生活センターによせられた「ヘナに関する苦情の数々」も、本をただせば販売業者の知識のなさゆえだと考えています。

2017年2月にドイツで行われたヨーロッパ最大級のオーガニック見本市『BIOFACH』で公表された新ブランドにより、次世代のヘアカラーが大きく変化していくことと思います。

新たなヘナの可能性を、ぜひ多くの方々に知っていただき、活用していただければと願っています。

“綺麗な髪”の実現のために 2017年春
ラジャスタン州  ジョードプルにて